目次
銀行員を取り巻く現状はとにかく厳しい
銀行員のイメージってどんなものでしょうか。
昔のイメージでは高給?
福利厚生が整っている?
信用力が高い?
数字に強い?
いやいや、昔はそうだったかもしれませんが、今、銀行という地位は確実に下がってきています。
最近ではキャッシュレス化による決済機能が銀行以外の業種へ映ってきていますし、本業である貸金でも利益を取れない、最終的に手数料収入に頼らざる負えないという銀行の苦しい現状があり、銀行員の苦しい裏側もだいぶ世間に認知されてきているのではないでしょうか。
そんな私も新卒で地方の銀行に就職した一人でした。
しかし、就職後3年であっさりと退職。
今では地方の企業で毎日銀行員時代よりも楽しく仕事させてもらっています。
その退職理由と銀行の内情をまとめてみました。
退職理由1 自己分析の不足
これは私自身に問題のある理由です。
大学で就職活動が始まる前に『自己分析』を行います。
これは、自分自信がどういったことに興味を持っていて、どういったことをこれからしていきたいか。
この自己分析を基に就職先の候補を選び、面接時の志望動機などにつなげていきます。
この自己分析を安易に考えていると痛い目にあいます。
私自身が金融機関に就職した理由は、なんとなく高給な職業だと思っていたから。
それまでの生活で特別不便をしたこともありませんでしたけど、特別裕福な生活をしていたわけでもなく、普通の暮らしをさせてもらっていました。
ただし、せっかくこれからの人生をより充実したものにしたいと考えたときに、その当時は高給をもらえる仕事であれば、自分が不幸せになることはないんじゃないかという安易な考え。
また、親が銀行員をしていたので親が働いていた当時の銀行員の待遇を聞かされて、銀行員=高給という発想が影響していたこともあったかもしれません。
しかし、そんな理由で就職先を決めていると、就職してから続きません。
なぜなら、高給取りになるには、仕事がしっかりできて、それを続けていかないといけません。
そこに自分の興味や好奇心を刺激するようなことがないと仕事なんて続けていけません。
その結果が、3年で退職。
むしろ、安易な理由でよく3年も我慢しましたよ。
毎日神経をすり減らし、意味の分からない精神論で動き回る。
そんな3年間をやり過ごせた自分を自分で褒めてあげたいくらいです。
経験者として語るのであれば、自己分析にはしっかりと時間をかけて、自分が何をやりたくて、どうなっていきたいのかをしっかりと考えておかないと後悔します。
お金じゃないんですよね。
本当に自分に適した仕事であれば、お金はあとからついてきます。
もう一度言います。
仕事は給与だけで決めてはいけない。
関連記事:銀行員の女性に気になる話!銀行入行前に知っておきたい7つのこと
退職理由2 労働時間の長さ
銀行って3時には窓口締めますよね。
だけど、店内ではその後も延々と作業が続いているのです。
その証拠に、私の当時の平均帰宅時間午後9時前後。
おそらく、今はかなり労働時間の改善は図られていると思いますが、当時は平均でそのくらいの時間に帰宅していました。
それから食事やお風呂を済ませていると、平日はほぼ仕事しかしていません。
ちなみに、今の帰宅時間はだいたい7時前後には帰宅しています。
しかも、銀行にいた当時は、自分の都合で早く帰りにくい環境でもありました。
病院に行きたいから5時に帰宅したいと上司に相談すると、『病院なんて土日に行け』という返事です。
今の時代だとこれだけでも銀行ってブラック企業って感覚になりませんか。
また、一度だけどうしても鼻の調子が悪い時があって、無理を言って時間中に病院に行かせてもらった日には、ものすごい迷惑な顔されました。
今の職場であれば、仕事時間中でも嫌な顔ひとつされずに通院させてもらえるのに、どうして体調が悪くて帰りたいのに銀行ではあんなに嫌な顔をされなきゃいけなかったのだ。
その点今は、自分の都合で早く帰れる環境なので、かなりストレスフリーです。
銀行では健康経営というワードが出てくるような現代でビックリの就労環境!
それが銀行!!
退職理由3 ノルマの存在
これは営業をしていると当然のことですが、銀行員にはノルマは必ずあります。
内部ではノルマと言わずに、目標なんて言い方をしますが、ノルマには変わりありません。
このノルマですが、営業職にはとんでもない数字が毎月言い渡されるんです。
もちろん、全部達成なんてできないですよ。
うん、できるわけない。
優秀な方であればそれに近づくこともできたんでしょうが、私はまったく及ばず、とにかく一つの項目でも達成しようと思うのですが、それさえ危うい状態でした。
また、数字が悪いといわゆる『詰め』といったものもあります。
この詰め文化は他の業種の方にはわかりにくい感覚かもしれません。
現役の銀行員の方は毎日この詰めを受ける毎日に辟易していることでしょう。
そんな『詰め』とは、毎週月曜日に必ず営業職と支店長、次長で会議をするのですが、この会議の席で『今週どれだけ数字するの?』『それできるの?』 と言ったことで延々問われていって、苦し紛れに出来ない可能性の高い案件も口走ってしまい、自分で自分の首を絞めてしまう、銀行員恐怖の文化です。
これが月末になってくると『数字できてないけどどうするの?』『数字ができるまで帰ってくるな』こんな話になってきます。
もちろん、仕事ですからね、数字を達成する必要さもわかりますが、その支店での環境は、すべて支店長次第というのがあるので、性格の悪い、意地の悪い支店長にあたった際は最悪です。
この『詰め』の厳しさで退職を選択する銀行員もいます。
『いじめ』に近いようなやり方をする支店長もいましたからね。
そんなド外道な人間少なくありません。
関連記事:銀行の『目標』という名の『ノルマ』
退職理由4 思っていたより高給じゃない
これは、考え方次第でもあるんですが、当時の給与水準でいうと、私の銀行では支店長で1000万、次長で800万、支店長代理で600万、係長で500万このくらいが給与の水準でした。
地方の小さな金融機関なので、銀行業界では平均より低い水準になります。
もちろん、鹿児島県の企業でこの平均給与水準であれば高給取りな職業です。
しかし、銀行員には転勤がつきものですよね。
転勤があると結婚している場合、家族で転勤する人もいます。
すると、奥さんは働きに出たくても出れない人も多いです。
そうなると、自分一人の稼ぎが世帯収入になりますよね。
だけど、今の私ように転勤の無い仕事であれば、奥さんも正社員として働くことができます。
実際に私の妻にも正社員で働いてもらっているので、世帯収入で行けばそんなに差がありません。
むしろ、転勤などの急な出費や交際費の高さを考えると、銀行員ってもらうだけ外に出ていく支出も多いんです。
仮に銀行員は高給だからといって、転勤のある生活をこの先ずっと続けていくメリットはどこにあるのでしょう。
関連記事:鹿児島県の勤労者世帯年収はいくら?気になる隣の世帯収入事情
退職理由5 お付き合いの多さ
これも営業をしていれば当然の話ですが、とにかく銀行員は飲み会が多い。
おそらくどこの銀行も飲み会が多いはず。
特に、月末なんてその月の打ち上げをするからって、どれだけ仕事の終わりが遅くなっても打ち上げの飲み会がありました。
あの月末の打ち上げは誰が好き好んでしていたのか未だに不明。
それに、行内の飲み会も多いのですが、お客さんとの飲み会やゴルフ大会も多いです。
一度飲みに行けば、一次会、二次会で1万円は使いますよね。
また、ゴルフに行けば、ゴルフで1万円使い、飲みで1万円使い、しかもお客さんに気まで使って。
こんな銀行員生活はずっと続けられないですよ。
さんざん気を使って、金を使って、深夜に帰ってきた翌日はまさかの仕事という時の空虚感はたまったもんじゃありません。
今は、職場の飲み会がたまにあるくらいで、ゴルフもお客さんと回ることなんてありません。
気を使うことさえ忘れてしまうような環境に変わりました。
それはそれでよくありませんが。
退職理由6 体育会系の組織
銀行って見た目スーツでスマートそうな装いですよね。
しかし、内部は体育会系な場合が多いです。
飲み会の席では下の者が上司の飲み物が空いているのに気付かないと、『気が利かない』と先輩に注意されます。
今は、『気が利かないから仕方ないだろ』なんて開き直ってしまいますが、当時はそんなことできないくら体育会系の組織。
私がそもそも気を利かせられない人間っていうのもいけませんが・・・とにかく先輩上司の命令は絶対。
もちろん、上司の飲み物が空いていれば下の人間が作らないといけないのはわかりますが、あからさまに注意されることそうありません。
今の職場では飲み会の席で怒られることそうそうないですし。
今は気付いた人がお酒を頼んだり、作ったりなので、かなり飲み会の席で気が楽です。
年齢が下の若い内はかなり使い走りになるので、慣れていないと最初はかなり苦労すると考えておいた方が良いです。
退職理由7 銀行の先行きの怪しさ
銀行って公共性が高くて守られているイメージですが、最近ではそうでもなくなってきました。
私が所属していた銀行も数年前に公的資金を受けてます。
それだけでもまだ守られている感はありますが、鹿児島全体の人口は減り続けていますよね。
地域に根差した金融機関には人口の減少は大きな問題です。
それは純粋にパイが減るから。
地域で圧倒的なシェアを持っている金融機関でさえ隣県のガリバー銀行と統合している中、シェアの小さい金融機関はどうやって生き残っていくのでしょうね。
これは推測ですが、将来的には一県に一銀行、ひょっとすると、九州地区で有力な地銀の傘下に入って一県に一行ではとてもやっていけないような時代がやってそこまでやってきているとも思ってます。
まとめ
この7つの理由を持って、銀行員から転職しました。
よく隣の芝生は青く見えるなんて言いますが、転職した結果は、まさに青かった。
少し前の就労環境なので今は改善されていることを願いますが、当時は大変であったことを糧に今頑張っていると思えば、いい経験はさせてもらいました。
銀行の時はこのくらいのことは当たり前だった
この思いを持って他の業種や企業に転職していけば、だいたいのことは乗り越えていけます。
また、もしも転職を考えている場合、やはり情報が必要です。
私もたまたま見つけた事務職募集の広告で転職をした人間ですが、それ以前に転職サイトへは登録をしていました。
以前はマイナビやリクナビというのが私達世代の中で一般的でしたが、今、転職サイトはいくらでもありますね。
そして、転職サイトの内容も質が高い。
面接時の取り組みや面接にあたっての着こなし、また世代ごとにあわせた転職サイト、業種を絞った転職サイト、今のキャリアを活かせるように好条件の募集を集めた転職サイト。
ずいぶんと転職する人間にとって転職しやすい環境が整ってきたと感じるのが最近の状況です。
まずは『情報』を仕入れることから転職活動がスタートなので、いつでも転職できるようにアンテナは高く張っておきましょう。
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