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銀行員は融資係からスタート
私の銀行員1年目は融資係からスタートでした。
地方銀行では基本的に預金係か融資係からスタートになります。
銀行の業務自体は大きく分けて、融資係、預金係、渉外係と3つのかかりに別れており、融資係と預金係で銀行の業務内容をなんとなく理解し、早い人は1年程度で渉外係としてデビューしていきます。
私の場合は約2年半もの間融資係をしていたので、他の同期よりは遅い渉外デビューでした。
もしかしたら、最初の時点で私には渉外係が向いていないことが見えていたのかもしれませんね。
融資係の業務内容
私が一番最初にスタートした融資係の業務内容は以下のとおりです。
業務1 延滞者への督促電話
融資係なので、融資の実行が仕事のようですが、一番最初は延滞者へ督促の電話からです。
毎日延滞が上がっている人の名簿が本部より支店に届くため、延滞になっている人へ督促の電話をかけます。
正直イヤな仕事です。
たまたま口座にお金を入れるのを忘れていたなどの理由ならよいですが、本当にお金がなくて払えない人も多く、それでもどうにかしてお金を入れるようにお願いをしないといけません。
また、延滞名簿に上がってからすぐに連絡をするのがポイントで、ずるずると延滞している状態を容認しているような姿勢を見せてしまうと、余計に延滞状態が長引くこともありました。
特に大変なのが月末の延滞督促です。
月を越える延滞は特に厳しく、月末には絶対にお金を入れてもらうように督促をかけます。
とはいえ、本当にお金がない人はどうやってもお金を工面できないので、月をまたいで延滞状態の人は必ずいました。
業務2 融資書類のチェックと融資実行
融資係らしい仕事といえば、この融資書類のチェックと融資の実行ですね。
渉外係が持ってきた融資書類に不備がないかをチェックします。
また、融資実行予定日に合わせて融資書類を整え、予定日に融資の実行です。
ほとんど銀行で使われるシステムの操作なので、なれてくればなんてことない作業になりますが、融資の実行は月末に集中的に実施されることが多く、これと同時に延滞者への督促をしていかないといけないので、月末は本当に時間との勝負という一日になります。
業務3 融資先の評価と担保評価
続いて融資係らしい仕事が融資先の格付け評価と担保の評価です。
年に1回、融資先の決算書ができたら、銀行内では決算書に基づいて格付け評価を行います。
最終的には本部で支店が作成した格付け資料をチェックして、最終的な格付け評価が決まりますが、最初の資料作りを融資係でしていました。
また、数年に一回店舗物件の評価もあるので、気分転換も含めて外出し、担保物権の所在確認などをしていました。
融資係の大きな業務内容は以上で、後は支店内で金庫の片付けをしたり、電話をとったり、とにかく小間使いが融資係です。
融資係は渉外係に向けての基礎づくり
融資係ですが、1年目の融資係は2年目以降に渉外係としてデビューするための下積みになります。
渉外係が銀行の稼ぎ頭なので、銀行としては早く渉外係として動ける行員を養成しないといけません。
そこで、1年間を目処に融資係で渉外係デビューに向けての知識等を学び、早い人は2年目から早速実戦デビューということになります。
ただし、融資係で多少銀行員としての知識等は学べたとしても、銀行員として続けていくために一番重要な要素はメンタルです。
融資係ではまだノルマに対する実績を厳しく言われることはありませんが、2年目に渉外係デビューすると、そこからは数字を求められます。
メンタルが弱いと精神的にやられる可能性もあるので、知識をつけることも大事ですが、詰めにやられない強靭なメンタルの保ち方も覚えていかないといけません。
銀行員時代の融資係は全ての基礎
私にとって融資係は社会に出て最初に経験した業務です。
しかも通常の人よりも長い2年半もの歳月を融資係として過ごしました。
そこで学んだことは今でも良い経験だったと感じることもあり、銀行員としての基礎を学ぶ時間でもありますが、社会人としての基礎を学んだ時間でもあります。
銀行という少し特殊な企業ですごした2年半という時間は、私にとっては今まで続く社会人としての人生の基礎を教わった大切な時間です。
大変なことの方がはるかに多かった銀行員時代ですが、時間が経てば、自分にとっては必要な時間だったのかもしれないと振り返るようになっています。
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