銀行員が偉そうに企業の格付けをしている理由

銀行員は企業を格付けしている

融資係の時に融資の実行の次くらいによくやっていたのが、企業の格付けです。
格付けって、なんだか偉そうに小難しいことしてそうでしょ。
でもね、 そうでもなくて。

財務管理とかに興味があると収益性を見る指標であったり、安全性を見る指標であったりいろいろあるじゃないですか。
ああいう指標も大事なんですけど、一番重視しているのはキャッシュフローです。

kakuduke

 

銀行員の企業格付けまでの流れ

決算書の徴収とデータ入力

格付けの流れ的には、決算書をもらいますよね。
決算書をもらったら本店に決算書を送って、格付けをするシステムに登録をしてもらうんです。
そして、数日後にシステム上に決算書のデータが反映されるので、その後支店側で個別の事情などを入力して企業の実態を分析するんです。

これも各金融機関でやり方なり分析の方法は異なるかもしれませんが、当時はその流れで格付けを行っていました。

個別の企業事情の調整

個別の事情にどんなものがあるかというと、回収ができていない債権はないか、ちゃんと適正な減価償却をしているか等決算書だけの数字だけじゃわからない、特殊要因などを拾い上げてトータルで分析をするんです。

こうして、その企業の実情がわかってきて、企業として体力はあるか、収益力があるかを見るんですけど、一番大事なのがさっきも触れたキャッシュフローです。

キャッシュフローを確認

キャッシュフローがプラスであれば、そうそう企業は倒産することありません。

もちろん、借り入れでキャッシュフローを一時的にプラスにしているのはよくありませんが、営業活動のキャッシュフローが安定的にプラスで借入金の返済後のキャッシュフローもプラスであれば、安定した経営を行っている証でもあります。

その当時の基準は、10年でその時点の会社の借入金残高を返済できるキャッシュフローがあるかどうかが基準でした。

例えば、その決算期の借入金残高が30億円あったとして、会社のキャッシュフローが4億円あれば、4億円×10年で40億円のキャッシュフローがあります。
これであれば、30億円の借り入れを10年以内で返済することができますよね。

この時の格付けは問題ない正常取引先となります。

では、どうして10年で返済ができるかを見るかというと、これも一つの基準として仮に設定しているだけです。

例えば、建物の建築で借り入れた借入金は10年で返済するのは耐用年数と比較するとかなり差があります。
鉄筋造の建物であれば、耐用年数39年とかになるので、通常は20年、25年程度での返済計画を考えたりしますからね。

また、機械の購入資金の借り入れであれば、機械の耐用年数は物にもよりますが、3年から長くて10年くらいになります。
この時の借入金返済計画は3年から長くて10年での計画を考えます。

平均で10年といった基準を仮で設定していたものです。

企業格付が悪い場合に見るところ

では、話を戻して、キャッシュフローが悪くて10年で返済できない場合はどうなるかというと、借入金の性質を見ます。

その借入金は何のための借入金をしているのか。

先ほど触れた建物建築の為の資金で借り入れているのであれば、10年ではなく20年程度で見てもいいですよね。
そういった、事情を考慮してキャッシュフローが回るようであれば正常取引先です。

さらに、それでもキャッシュフローが悪い場合はどうなるか。

一時的に悪い場合はそれも事情を考慮して、正常取引先とできるのですが、継続的にキャッシュフローが悪い場合には、その企業の体力を見ます。
要は、最悪返済が届こう理想になった時に、借り入れ金にあてられるだけの資産を保有しているか。

昔から経営されていて歴史のある企業がこういうパターン多かったです。
昔は景気が良くて資産を蓄えていたけど、時代が変わり利益を確保しにくくなっている企業の場合は、まだ昔の貯蓄があるので、なんとか正常先を保っている企業などありました。

本来は、利益を出せなくなっている状態は正常先と言っていいのか怪しいですが・・・銀行としては貸したものを返してもらえれば良いので、取引先としては正常、といったところでしょうか。

ここまでが定量評価と言われるものです。
数字で評価できる部分だから定量評価ですね。

これともう一つ評価の基準があって、それが定性評価です。

定性評価とは

定性なので、要は企業の社長の人柄であったり、企業の雰囲気であったり、銀行から見た企業の内面を評価します。
これって、あくまでその担当者が見た印象なので、あまり格付け的には大きく影響はしませんが、それでも社長が誠実かどうか、企業の雰囲気はブラックじゃないかなど、印象は大事ですからね。

この定量評価、定性評価を行い、銀行は一つ一つの企業を格付けしています。

この格付けで、9割以上の企業は正常取引先なんですよ。
だけど、この正常先にもれた企業が破綻懸念先、破綻先といった格付けになり、その貸付金の残高に応じて貸倒引当金というものを積み上げて、もしもの時に決算に大きな影響を与えることが無いように前もって引当金を積み上げておくんですね。

まとめ

銀行内部では決算書を企業から徴収した後にこのような分析を行って、企業に融資が可能なのかどうか、金利はどの程度に設定するのが適正か、信用の度合いに応じた担保が取れているかということを評価しています。

たまにきては偉そうな顔しているような銀行員、このような企業分析を行った上で、その企業のことをわかったような顔して来ているんですよ。

たしかに決算書の情報はその企業の状態をリアルに映し出している情報ですが、案外その企業の社長さん自身の属性というのも大事なときがあります。

借金を返せなくなった時にどういった行動を取るか。

個人で頑張って返していくのか、突然姿を消すのか、社長さんの姿勢というのが、決算書以上に重要な場合もあります。

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