銀行員に取引先が期待していること金融ではなく情報である理由

銀行に取引先が求めているのは金融ではなく情報




銀行員に取引先が期待していることは金融ではない

仕事上よく銀行の方と話す機会があるんですけど、正直、銀行に今期待していることは『金融』ではありません。

金融が仕事なのに金融を求めてないと何を求めるんだという話ですが、私が銀行員と話をしている中で感じていることを踏まえてまとめます。

『金融』というと預金や融資をはじめとした金融商品の取扱といったものになりますが、銀行員に『金融』を期待することは10ある内の1もないくらいです。

銀行の取引先である私達が普段の仕事の中で求めているものは『情報』です。

金融サービスから情報サービスへ

情報がほしいといっても、決算書の中身から見える経営アドバイスをくれとかいうものでもありません。

正直経営アドバイスなんて受けても、個人的には余計なお世話です。

自分が勤めている会社のことは自分たちが一番わかっていますし、それ以上にわかっているのは決算書を仕訳レベルから作成している経理の人間が会社の実情は一番わかっているわけです。

実際に私なんて銀行員にいる時よりも今の方がはるかに決算書の内容が理解できます。

私以上に自分の勤める会社の実情が分かっている人間なんてこの世にはいないと自負してます。

だから会社の課題がわかってないわけないです。

また、銀行員の勘違いでよくあるのが、本部から医療専門の部隊を連れてきましたというパターン。

これも『情報』を提供する意味があるのかもしれませんが、正直イマイチのサービスです。

最初は銀行本部から医療に強いメンバーがくるということはどれだけの『情報』を持ってどういったアドバイス等をしてくれるのだろうと期待もしてましたが、会ってみると期待はずれになることが多いです。

これまで4~5行くらいの医療部隊とあって話を聞きましたが、ほぼ同じように期待外れです。

どうして期待外れが多いかというと、実際に会って話をしますが我々に情報を提供というよりも自分の知識を確認したいだけの対応が多いです。

一応当院の状況や最近の診療報酬改定の動向などに触れて、こちら側の意見を聞くだけ聞いてきますが、医療専門部隊から有益な情報を得たことなんてほぼゼロです。

そんな医療専門部隊しか持っていない金融機関多いです。

そもそも、医療業界で自分達の立ち位置を確認しながら常に次の改定を睨んで対応を考えている人間が病院内にいるのに、もともと畑違いの業種の人間が医療専門部隊へ異動しろといわれとにかく知識だけを詰め込んで対応しているような状況であれば、結局自分達の方が銀行の医療専門部隊よりも自分のことはわかっていないとおかしいわけです。

そんなところに『私たちは医療に強い専門部隊だ』って、そんな顔して来られても的確なアドバイスや意見なんて出せやしないことはわかっているはずです。

そんな、医療専門部隊へお願いしたい事を1つ上げるとすると、個人的には他の医療法人との比較というのは欲しいですね。

例えば、同じような病床数で同じような施設を持っている医療法人と私たちの法人と同じような医療機関の決算書と当法人の決算書の内容を比較した資料なんてもらえるとかなり有益な情報になります。

自分たちの法人の収益性が高いのか、規模に対しての売上はどうなのか、経費で異常に高い費用がないのか等そこから得られるものはかなり有益な情報です。

もちろん決算書も出来上がりの数字だけだと比較の対象にならない事もあるので、決算書の細かい内容までわかるとさらにありがたい。

こういう『銀行でしか集められない情報』を欲しいわけです。

銀行だからこそ持っている情報が欲しい

情報として出せる情報、出せない情報があるのは重々承知でいかに取引先に有益な情報を提供できるかを考えてほしいわけです。

また、地域の情報も有益情報です。

近くの土地が売りに出ているとか、近くの医療法人が今度施設を建てるとか、地域の情報でも一番早く情報が入る先は銀行の場合が多いですからね。

そういった意味で『情報のスピード』も銀行には期待したい部分です。

以前より手に入れたかった土地が売買に出ていますとか、近くに同業者の出店がありますとか、こちらが一歩早く動けるような情報が欲しいわけです。

そういった『情報』の中から実際銀行の実利に繋がる『金融』取引が始まる。

そう考えると、とりあえず来て『預金からはじめませんか』『融資なんてどうですか』という、これまでの『金融』の売り込みからきてもタイミング良く取引することありません。

たまたま金利が高いので借り換え考えているとか、たまたま設備の購入で借入を考えているという、そんな超たまたまに当たればラッキー以外の何物でもないですがしっかりと建設的に取引を始めたいのであれば、取引先にとって有益な『情報』の提供からがスタートです。

銀行が金融で稼ぐ時代は終わった

銀行にとってこれまで金融サービスで稼いできた本業は終わりの時代が近づいています。

世の中には金融サービスからさらにフィンテックと言われる金融技術が当たり前に利用されるようになっています。

これまで銀行が担ってきたことはフィンテックによって手軽に簡単に誰でも利用できる金融サービスへと変わってきています。

そんな金融サービスの中から銀行しかできないことはなにか。

それは情報サービスです。

地方の金融機関にしか集まらない情報をどのように取引先にサービスとして提供し収益につなげていくか。

銀行にしかできなサービスのあり方を作っていかないと、これまでと同じような金融サービスでいつまで稼ぐことはできなくなってきています。

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