九州電力の業務用季時別電力Bは特別メニュー
個人向けの低圧電力が自由化になり、以前にもまして新電力会社から電力供給を九州電力から変更しませんかという問い合わせが、ここ最近増えてきました。
もともと、病院が契約しているような高圧の電力は自由化されていたので、今年4月からの電力自由化が直接影響しているわけでもなさそうですが、新電力会社もココぞとばかりにシェアを奪っていこうと頑張っているんですかね。
そこで、今回もまた新電力会社から電力供給に関して提案をしたいということで、新電力会社の営業マンとお話させてもらいました。
提案の内容としては、今の九州電力契約よりは安い提案内容になっていました。
そりゃ、今の九州電力の契約より安くならなければ、提案する意味無いですからそうなんでしょうけど、その中で気をつけないといけないなという話が1点。
それは、『もしも今の契約が九州電力の業務用季時別電力B契約であれば部分供給に要注意』
新電力の多くはこの『部分供給』という方法で提案を持ってきます。
部分供給とは、ベースになる電気契約は九州電力と契約をして、変動幅のある部分は新電力と契約をするんですね。
パターンとしては3パターンあるようで、経済産業省の電力システム専門委員会に参考資料があったので引用させてもらいます。

私がこれまでに見たことがあるプランはパターン1の契約を進める新電力会社が多い。
というより、パターン1しか見たことが無いですね。
このベース契約を気をつけないといけません。
もしも今、業務用季時別電力B契約をしていて、電気料金が安くなるから、この部分供給を使って新電力より電気の供給を受ける契約をすると、今利用している業務用季時別電力B契約では契約できなくなります。
というのも、業務用季時別電力B契約自体が九州電力の契約で裏メニュー的な契約で料金表の表に出てきていないプランなんですね。
正確にはそれぞれの企業が個別で電気料の単価などを交渉して決まるメニューになるので、同じ業務用季時別電力Bでもその内容は全然別物になります。
もしも部分供給で新電力より電気の供給を受けるようなときは業務用季時別電力B契約ではなく業務用季時別電力A契約を利用することになります。
では、業務用季時別電力Bと業務用季時別電力Aではどういったメリット、デメリットがあるのでしょうか。
業務用季時別電Bと業務用季時別電力Aの違い
業務用季時別電力Bと業務用季時別電力Aの違いは、基本料金と電気利用単価が異なります。
業務用季時別電力Bは基本料金が業務用季時別電力Aより高いですが、電気利用単価が安く設定されています。
これに対して業務用季時別電力Aは基本料金は安いですが、電気利用単価が高く設定されています。
ちなみに、業務用季時別電力Aの契約内容は九州電力のホームページに表示されているので、参考にしてください。
ということは、電気の利用量が少なければ業務用季時別電力Aの方が九州電力への支払いが少なくなることもあるようですが、基本的には電気の利用量が多いところにちょっとでも有利になる裏メニュー業務用季時別電力B契約を適用しているとのことなので、部分供給にして電気料金が一時的に下がったけど、また業務用季時別電力Bに契約を変更したいとなっても部分供給契約後に再度業務用季時別電力Bでの再契約はできないということなので、業務用季時別電力Bで現在契約をしている企業であれば、新電力との契約は慎重に行ったほうが良いです。
電気料金が安くなることばかりをアピールしてくる新電力会社もこれから増えてくると考えられますが、今九州電力と契約している契約内容が、実は一方通行の契約の場合もあります。
最近はこの状況も変わってきている
低圧部分の電力自由化が進展し、当初は高圧部分の契約では上記のような説明が一般的にされていましたが、最近の高圧供給部分も状況が大きく変わってきています。
それは、新電力のシェアを大手電力が取り返そうとしてきている。
新電力会社は電力自由化後に大きくシェアを伸ばしており、現在では10%を超えるシェアを新電力が占めています。
この新電力に奪われたシェアを大手電力が取り返すために、料金プランの基本料金や従量料金単価の部分は変更しないものの、最後の割引の部分で大きな割引を入れるということが当たり前に行われてきているということです。
つまり、業務用季時別電力Aでも業務用季時別電力Bでも、大手電力は料金単価は変更しないものの、割引の部分で大きな割引を適用する流れになってきているので、どちらの料金プランがより有利かということが薄れてきています。
このような状況があるので、電力の消費者として今するべきことは、新電力と大手電力をそれぞれ比較することです。
大手電力は新電力にこれ以上シェアを奪われないように躍起になっています。
奪われないために料金プランに大幅な割引を実施しています。
比較する相手がいるからこそ、このような割引を大手電力は適用するようになったのです。
新電力に切り替えるかどうかというだけではなく、既存の大手電力の料金を上手に引き下げるためにも電力会社の見直しを行うことが大事になってきているのが最近の状況です。
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まとめ
以前は業務用季時別電力Bは特別メニューのため、一度契約を見直したら再度契約できないというのが大手電力契約から新電力へ切り替える時のデメリットでした。
しかし、ここ最近の新電力のシェア拡大に伴い、この状況も変わってきています。
今は、大手電力が新電力に奪われたシェアを取り戻すために、料金プランに関係なく大幅な割引を適用するようになっています。
今高圧契約の電気代を上手に下げるためには、新電力と大手電力を競争させることです。
料金プランが適用になる、適用にならないというのはほとんど意味がない事になってきているので、一度電力契約の見直しにチャレンジしてみましょう。
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