病院とクリニックの役割は違う!知っておきたい医療機関の受診

病院とクリニックの役割の違い




病院とクリニックの役割は違う

先日の話ですが、急に取引先の銀行担当者から連絡が来ます。

『うちの行員が追突事故にあったので今から受診させたい』

電話を受けたのは午後の2時過ぎ。

自分で病院受診に来れるということでそこまで重症ということもないでしょう。

ということで整形外科の受付時間は午前中までなので午後2時に来られても私からすれば困ります。

もしも救急車でくるのであれば話は変わりますが、受診受付の時間を過ぎて飛び込み的に病院を受診して、検査をしたいというのは病院にとってはそこまでいい話ではないんです。

できれば、近くの整形外科クリニックを受診していただきたいというのが本音です。

なぜこのような話になるかと言うと、病院とクリニックの役割は今明確に分けられているからです。

病院の仕組み

病院の運営上の話として聞いてください。

そもそも整形外科の先生が少なくなっているのというのもありますし、午前中で予約枠も埋まってしまっているから、外来で飛び込み的に患者さんが来るというのは病院運営上はあまり歓迎すべきものではありません。

どうして患者さんを受け入れたがらないのか。

そもそもの話では、病院は入院治療を中心にするべき施設で、外来的な治療はクリニックが担うというのが基本的な考え方です。

また、病院では、特に一般病床で急性期の役割を持っている病床では重症度と言われる指標が重視されています。

重症度とは、全体の患者さんに対してどれだけ重症評価の患者さんがいるかです。

この重症度と評価される患者さんには決まった評価基準があり、その中の一つに救急車で運ばれそのまま入院になった患者さんが決められた特定のの行為ができないと評価する項目に当てはまれば重傷者としてカウントされることになり、この重症度の割合が高くなります。

実は今一般病床の急性期病床を持っている病院では重症度を上げることが一番のテーマになっており、この重症度が入院基本料といわれる加算を取得している病院では大切な指標となっています。

仮に外来受診して入院になったとしても軽症患者を受け入れることは重症度を下げることになるため、病院としてはメリットがありません。

重症度が下がり、入院単価が下がることは病院の運営に影響します。

だから、救急車で来る患者さんは重症の可能性が高いので、救急車の患者さんを受けたがります。

この話を知らないと外来の患者さんが多いから病院は儲けているというように考えられるかもしれませんが、病院の収入は入院患者さんからの収入が全体の8割以上です。

外来患者さんからの収入は2割未満。

いかに入院患者さんの獲得に力を入れるかが病院運営の大事な点になります。

そして、外来から入院に繋がる患者さんの割合はそんなに多くありません。

可能性としては救急車の患者さん、クリニックから紹介の患者さん、そして外来の新規の患者さん、最後に外来の再診の患者さんの順番で入院患者につながる可能性が一般的に高いです。

病院を受診するまでの流れ

ここで、最初の話しに戻りますが、車の追突事故に遭遇したけど心配なので検査だけでも受けたいという自分で動ける患者さんの場合は、近くのクリニックを受診して、そこで検査を受けてから、問題があった時に紹介状で病院を受診してもらうのが一番ありがたい流れになります。

今回の場合は、銀行の担当者が患者さんを紹介したほうがありがたいだろうということで事故に遭遇した行員を病院に向かわせたこともあるようなので、依頼があった以上、外来に無理を言って受診はしてもらいましたが、本音は病院に来てもらうよりクリニックのほうがいいです。

こういう話は医療業界の人間であれば診療報酬改定などで敏感に反応する部分ですけど、世間の人には全然無関心なところです。

クリニックより病院のほうが大きいので安心できるとか未だにそんな大病院信仰があったりします。

この流れに歯止めをかけるために紹介状なしに大きい病院を受診する場合には通常の診療費に別途選定療養費といわれる完全自費負担部分が5,000円以上徴収されますが、今でも病院進行は患者さんの中で強い様子が伺えます。

医療制度は患者さんの知らない間に大きく変わり続けている

今後の傾向、方向性として、救急以外はまず近くのクリニックを受診して、必要に応じて病院へ紹介する流れであるというのは世の中の人にもっと知っておいてほしいことです。

病院関係者は2年に1回の診療報酬の改定に敏感ですが、患者さんの立場からすれば、医療費が高くなるのか安くなるのか気になるくらいでしょう。

そして、患者さんが知らない内に医療の制度は刻々と変わり続けています。

病院がなんとなく安心という気持ちもわかりますが、すべては医療制度で受診の仕組みも変えられてきている状況があるので、患者さんとしても診療報酬の改定には知っておいた方が良いことがたくさんあります。

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