障害者雇用水増し問題は障害者にとっても企業の担当にとっても腹立たしいこと

障害者雇用水増し問題は他人事ではない

先日発覚した障害者雇用水増し問題。

国や公共機関が障害者雇用率を偽っていたという、障害者の雇用について、知っている人にとっては大変腹立たしい問題。
あまり障害を持つ人と縁がない人であれば、もしかすると『へ~』で終わってしまうかもしれませんし、全然反応しない人も世の中に入るかと思いますが・・・ハヤスズ個人的には、とても腹立たしい話です。

多くのメディアは障害者の雇用機会が失われていたことにスポットを当てていることが多いのですが、ハヤスズ自身は企業の障害者雇用率を報告する立場として、障害者の就労を考える立場として怒っています!!

企業には障害者を一定数雇用することがルールとして決まっています。

これは障害者雇用率というその企業の雇用者数に一定率をかけた障害者を雇用しないといけません。
この雇用率によって計算された障害者数を雇用するのですが、もしもこの障害者の雇用数を確保できないと、不足分に対して
納付金という形で、企業は国にお金を支払うことになっています。

この雇用率というのが、現在2.2%で、数年後には2.3%に雇用率が上げられる予定になっています。

ということは、現時点でその企業に常勤換算で46名以上在籍していると、障害者を雇用する必要が発生することになります。
(46名✕2.2%=1.012名)

今回の障害者雇用水増し問題は、この決められた障害者雇用のルールを国や地方公共団体自体が破ったということです。

一般の企業については2.2%ですが、国や公共団体は2.4%、2.5%と一般企業よりも高い雇用率を求められているので、より真剣に障害者の雇用について考えないと、早々達成できる数字ではありません。
しかも、公共団体は一般企業とは違い、利益を生む団体ではありませんので、その障害者の雇用や就労内容については一般企業よりもさらに踏み込んで考える必要もあります。

その国や地方公共団体が、障害者雇用のルールを破っていたんです!!

障害者雇用率の報告はなかなか面倒

ここまででなんとなく、この障害者雇用水増し問題のどこが怒りポイントかわかってもらえたでしょうか。

一番は、障害者自身の雇用機会が損なわれていたこと
二番目に、ルールを決めた国、地方公共団体が自らルールを偽っていたこと
そして、三番目に個人的に一番腹立たしい、面倒な報告をさせること

障害者雇用率の報告は年に1回行います。

毎年4月から翌3月までの障害者の雇用状況を時間単位で計算をして、全体の常勤換算の内、どれだけ障害者の雇用を行っていたかという割合を報告します。

とにかく、この報告が面倒なんですよ。
年に1回とはいえ、企業全体の職員数から常勤換算になおして、そこから報告する割合を計算するとそこそこしんどい作業になります。
そういう報告をさせている国が自らルールを偽っていたのですから、怒りポイントもわかってくれるでしょ。

これって、私だけが行っているわけではありませんからね。

全国の企業の担当者が、このルールによって年に一回膨大な作業を行っているわけです。
そんな大元が偽っとるんかい!!というびっくりするような話が今回の水増し問題です。

一般企業は障害者雇用を真剣に考えている

そして、これは報告が面倒ということだけには収まりません。
障害者雇用率は、達成できていれば一番良いのですが、企業規模や業種によってはなかなか障害者の雇用が難しいところがあります。
当然、障害者雇用数に不足があれば、納付金としてお金を国に支払わないといけないのですが、まだ、お金だけで済めばいいです。

あまりに障害者雇用数が企業の人数に対して少ないと指導を受けることもあります。
例えば、必要数の半分以下だと近くの労働局からチクリと言われたりなんてこともあります。

だから、一般企業はなんとか障害者にもできる仕事が無いかを考えます。
基本的には障害の程度も人によってそれぞれで、できる仕事というのもピンからキリまで異なります。

障害者と言っても、ちょっと足が不自由というレベルであれば、健常者と同じように仕事ができますし、特に企業として特別な配慮をしないでも問題ない人もいます。
こういう障害程度の軽い人はどこの企業からも引っ張りだこです。
他の一般職と同じように働いてもらって、障害者雇用率にも貢献するので、一番ありがたいわけです。
多くの障害者の方がこのような状態であれば、障害者雇用の問題点もそうそう大変なことではありません。

そういう、障害程度が軽い人だけではないのがこの障害者雇用の難しいところになっています。

例えば、精神疾患を患っている方。

精神的な部分なので、体は健常者と変わりません。
だから、普通に働けるでしょと言いたくなりますが、精神疾患を患っている方は結構確率で急に出勤してこなくなったり、精神的に落ち込んで出勤ができなくなったり、症状が不安定で、してもらいたい仕事もその方の特徴に合わせて配慮が必要になるので企業としては仕事を任せる部分で難しいところがあります。

また、知的障害を持っている方もよく就職してきますが、これまでの経験だと、毎日決まった仕事は徐々に問題なくできるようになってきます。
だから、精神障害を持っている方より、仕事を任せるということに関しては難しくないですが、実は仕事上の大変さより、その知的障害を持っている方の家庭の状況が難しいことがあります。
全員がというわけではもちろんありませんが、知的障害を持っている方の親自身も知的障害を持っていたり、家庭環境が好ましくない状態であるということも今までに見たことがあります。

あくまで仕事だけの付き合いとして知的障害を雇用するのであれば、家庭環境は問題ないように思われますが、できる限り働きやすいような環境を作るということも含めて知的障害者を雇用すると、どうしてもその家族との接点が必要であり、家族、家庭状況が好ましくないとなると、その後の雇用が困難になってくる例もありました。

障害者雇用に関わってくることで、社会の影の部分がたくさん見えてきます。

だからこそ、一般企業は障害者の雇用に頭を悩ませますし、任せる仕事にも工夫が必要なのです。
真剣に考えないと、障害者雇用の拡大はとても難しい。

そんな難しさのある障害者雇用でも、この日本の企業の半数以上は障害者雇用率を達成しています。
多くのの試行錯誤を重ね、障害者雇用の拡大に真摯に取り組んでいるのです。

障害者自身の雇用機会が損なわれていた残念感

私自身の報告が面倒で怒っているなんてのは、そもそも障害者自身にとって雇用機会が損なわれていたことに比べればチンケなことです。
ここで問題にした事自体が恥ずかしい。

何よりも、障害を持ってしまったことで、『障害者』として扱われ、障害者として働く機会が損なわれていたことが何よりも怒るべきところです。

私自身も、基礎疾患を持っていて、症状次第ではいつ『障害者』と言われるような状態になるかもわからない、半分健常半分障害のような人間です。
私はまだ普通に働けているのですが、症状が良くない時には休まないといけないときもありますし、月に一度は少し離れた病院に通院もしないといけません。

ということは、障害者雇用の機会拡大は自分のためでもあるのです。

障害を持っていても働ける場所がある、社会に出て、社会とのつながりを持ち続けられるというのは何よりもこの世に生きる人間として大切なことです。
ずっと家や施設にこもりっきりだと、社会から切り離されたような、自分だけ取り残されているような孤独な気持ちになります。
社会とつながっている感覚が生きている充実感につながり、人との接点が社会の一員として気持ちを高めてくれるもんです。

障害者の雇用機会が損なわれていたことについては、私にとって怒りと同時に残念感です。

私は私で今の会社に障害者の就労機会を作っていく

以前、障害者の就労施設の経営につい書いたことがあります。

参考記事:就労継続支援A型事業所かB型事業所の経営を考えてみた

これも、今回の障害者雇用の水増し問題に関わるのですが、障害者雇用の機会をどうやって増やしていくかということで考えたものです。

障害者雇用として、一番なのは企業として利益を作りつつ、障害者の雇用も成り立つという関係がベストなわけで、障害者にとって働ける機会を作るには段階的にでも受け皿が必要だと、その中から一般就労につながる機会が生まれるとすれば、一企業として就労支援施設を持つことも障害者雇用の機会創出につながるのではないかと考えました。

私が社会全体を変えることなんてできるわけないですが、せめて自分の周り、所属している会社くらいは自分で変えられることもあるんじゃないかって考えてます。

もちろん、将来の自分のためにも、自分でこの会社に障害者の就労機会を創出できるように動き続けます。

だからこそ、今回の障害者雇用水増し問題は許せないことで、怒るべきことで、国として信用を失っても仕方ないことであるのです。

偽るくらいなら正直に数字出してた方がまだ社会全体で取り組みを考える機会が生まれたはずなんです。

そんな考えることさえ止めてしまった責任は重いですよ。



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